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2005年1月

【装飾クロムめっき decorative chromium plating】

 装飾クロムめっきは、主としてニッケルめっきの保護膜
 として、また、クロムめっき皮膜の高度の光沢と特有の
 色調が活用されております。

 皮膜の厚さは0.1μm程度ですが、この皮膜がニッケル
 めっき後にあるのとないのとでは耐食性が全然異なり
 ます。(単純に10倍程度)
 
 一般的に「ピカピカしためっき」「輝くめっき」としてご注文
 いただくのもこのめっきでございます。

 ただし、下地(素材)のバフ研磨がかなり光沢度合いに
 影響いたしますので、その点では注意が必要です。

 JISでは、

  「製品美観のために仕上げめっきとして行われる
   クロムめっき」とございます。


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投稿者: めっき職人 : 18:27 |

【クロムめっき chromium plating】

 クロムめっきは、装飾用のクロムめっきと工業用クロムめっき
 (硬質クロム)に大別されています。
 JISではビッカース硬さHv700以上を工業用クロムめっきと
 しておりますが、実際にはこの区別は厚さの差だけで、2μm
 以上のクロムめっきを工業用クロムめっきとしております。

 クロムは灰色がかった白色の金属ですが、磨くと高度の光沢
 が得られるのと同時に硬度が高くなる・耐摩耗性・耐食性・
 耐熱性・密着性などが良くなります。

 一般装飾用めっきの最上層に施される薄いクロムめっきは
 光沢めっきであり、通常の大気中では光沢の劣化がないため
 ニッケルめっきの保護膜、あらゆる部品の最終仕上げとして
 利用されております。

投稿者: めっき職人 : 18:27 |
2005
01/14

【内部応力】

 物質は一般に外部から引張られたり、圧力を加えられたり
 すると変形しますが、このとき元の状態に戻ろうとして
 反対方向の力が生じます。
 
 これが「応力」で、
 
  引張られた場合:引張り応力
  圧力を加えられ圧縮された状態:圧縮応力

 が生じます。
 
 外から力がかかる場合だけでなく、物質の内部に力の
 かかる原因があることもあり、これを「内部応力」といい
 やはり引張り応力・圧縮応力とがあります。

 電気めっきでは内部応力が重要で、析出物が圧縮応力
 をもっているときは、析出自身が圧縮とは逆に伸びようと
 し、これが素地金属を抱き込む形になって素地金属と
 密着性を向上させます。
 
 引張り応力の場合には析出物自身は収縮しようとする
 ため、素地金属との密着性が悪くなりやすいです。
 そして実際には素地からはがれると僅かに収縮します。

 内部応力が大きいとめっきが剥れたり・割れを生じたり
 あるいは変形して耐食性を低下させるなど、いろいろの
 障害が現れます。

投稿者: めっき職人 : 17:31 |

【サテンニッケルめっき satin nickel plating】

 サテンニッケルめっきは、めっき皮膜に無機物あるいは
 有機物の非電導微粒子を共析させ、サテン仕上げない
 し艶消しめっきを得る方法です。
 一般の光沢めっきに比較してソフトな艶の薄いめっきで
 建築材料や事務機等などで用いられ従来のめっき前に
 素地をワイヤーブラシ、ナシジなどで機械的処理で粗化
 し艶消しを得る方法の代替処理として利用されておりま
 す。

 
 

投稿者: めっき職人 : 16:00 |

【多層ニッケルめっき composite nickel plating】

 今日の光沢ニッケルめっきは、大部分が有機添加剤
 を使用するものが多いです。そのため、添加剤中の
 硫黄がニッケルと共析して、皮膜の耐食性をそこねる
 ことが知られております。
 この問題を解決するために開発されたのが多層ニッケ
 ルめっき法です。

 硫黄含有量の異なるニッケル皮膜を2~3層に重ね、
 この上にクロムめっきを施すことによって高耐食性
 を得るニッケルめっき法を多層ニッケルめっきと称し
 ております。

【2重ニッケルめっき double nickel plating】

 第1層に硫黄を含まない半光沢ニッケルを、第2層に
 従来の硫黄を含む光沢ニッケルを重ね最後にクロム
 めっきで完結する方法が2層ニッケルめっきです。

 一般にニッケル皮膜は硫黄含有量が多いほど自然
 電位が低いので、クロム→光沢ニッケルを貫通する
 腐食孔が半光沢ニッケル層に達すると、光沢ニッケ
 ル→半光沢ニッケル間に電位を生じ、下地半光沢
 ニッケルは光沢ニッケルよりアノード防食をうけ、
 素地方向への腐食を緩にすることが出来ます。

 2重ニッケルめっき層の厚さは、めっき部品の用途
 によって異なりますが、本体の耐食性を発揮するに
 は最小限25μmの厚さが必要であり、耐摩耗性
 耐衝撃性を要する車両備品では40μmにおよぶ
 ことがあります。

 2層ニッケルめっきの中間層として、厚さ1μm前後
 の高硫黄含有ニッケルストライクを挟むと3重ニッケ
 ルとなります。
 
《参考文献》
 めっき実用便覧
 めっき技術ガイド:全国鍍金材料組合連合会

投稿者: めっき職人 : 15:33 |

【黒色ニッケルめっき black nickel plating】

 黒色ニッケルめっきには、黒色クロムめっきのように皮膜の
 物性に特長があるわけではないのですが、簡単に金属調
 のある黒色仕上げが出来るので使用されております。
 
 色調を一定に保つことが難しいめっきですので処理液の
 管理等を適正に行うことが重要です。
 
 めっき皮膜は、もろく無光沢のものが一般的です。
 めっき厚は、2μm以下でラッカー仕上げすることが
 多いようです。光沢や耐食性は下地に依存すること
 になりますので下地処理として光沢ニッケルめっき
 をいたします。
 また、つきまわりはいいですが耐摩耗性、柔軟性
 は良くありませんので、めっき膜厚が厚くなりますと
 衝撃によってはがれやすくなります。

《参考文献》
  実用めっき(Ⅰ):槙書店
  めっき技術ガイド:全国鍍金材料組合連合会

 

投稿者: めっき職人 : 14:40 |

【装飾ニッケルめっき decorative nickel plating】

 装飾ニッケルめっきは、名の示す通り通り鉄鋼、黄銅、
 亜鉛ダイカスト等の被めっき物に美的感覚を付与する
 目的のめっきです。また、同時に防錆向上という目的
 も持っております。
 
 装飾ニッケルめっきとして最も多く使用されているのは
 自動車、バイク、家電製品、家具などです。
 
 装飾ニッケルめっきでもっとも一般的なのは光沢ニッケル
 めっきであります。
 光沢ニッケルめっきは、光沢剤をめっき浴に添加する
 方法です。

【光沢ニッケルめっき bright nickel plating】

 光沢ニッケルめっきはレベリング作用が強く、素材の
 研磨面を平滑にし、優美な金属外観を得ることが出来
 ます。
 クロムめっきや貴金属めっきとの適合性がよく、下地
 めっきとして有効です。

 クロムめっきを上層に行うことにより耐食性を向上
 させることが可能です。

投稿者: めっき職人 : 18:06 |

【ニッケルめっきの水素脆性】

 ニッケルめっき時における鉄素材への水素浸透量は、
 他のめっきに比べて非常に少ないです。 
 
 これは、電着の初期の短時間だけで水素の浸透がある
 だけでニッケルめっき皮膜がある程度できてからの水素
 透過はないためとみられております。
 特にワット浴は少なく、めっきの最初にストライクをすると
 更に少なくなります。

 上記のことからニッケルめっきは水素脆性の少ない
 めっきと言われておりますが、これはめっき時につい
 てのことであり、めっき前後の酸洗いや陰極電解洗
 浄で吸蔵した水素があれば、それなりに脆性が問題
 となります。

 水素はベーキングによって素材から追い出すことが
 出来ますがめっき皮膜の性質によって難易があり、
 ニッケルめっきでは全塩化物浴や全硫酸塩浴から
 のものは水素抜きが容易であるが、ワット浴からの
 めっきは困難であります。
 
 水素脆性は、材料強度が高いほど影響を受けやすく
 合金成分にはあまり関係しません。
 また、鋼の素材ではフェライト、マルテンサイトが水素
 脆化を起しやすくオーステナイト系は水素を吸蔵しや
 すいにも関わらず脆化が起こりにくいです。
 
 従って、炭素鋼、高合金鋼で高強度の素材には、
 少しでも水素の発生が見込まれる処理を避けるよう
 な配慮が必要です。

投稿者: めっき職人 : 17:41 |

【ニッケルめっき nickel plating】

 ニッケルは、めっきにおいてばかりでなく、ステンレス鋼や
 磁石鋼のような合金としても広く用いられる有効な金属
 です。
 
 ニッケルは鉄に近い金属であるが空気や湿気に対して
 鉄よりはるか安定であることからめっきでは装飾、防食
 の両面に利用されております。
 ただし、ニッケルめっきの表面は空気中でわずかに変色
 するため、美観の付与と保持に役立つ「クロムめっき」を
 して仕上る場合がほとんどです。

 光沢(ピカピカ)を出したい場合には、下地(素材)をバフ
 研磨してめっき処理するのが一般的です。
 艶消し(マット)の状態にするためには、下地(素材)を
 ナシジ処理してからめっき処理いたします。
 
 下地めっきとしての利用は、金・銀めっきの分野で装飾
 ばかりでなく、工業的意味から電子部品等にニッケル
 めっきが用いられています。
 
 1843年にR.Boettgerが硫酸ニッケルと硫酸アンモニウ
 ムの浴からニッケルを析出させたが、実際に工業的に
 ニッケルめっきが行われたのは、1869年のI.Adamsが
 はじめてであるようです。その後多くの浴が提案され、
 1878年:ほう酸の添加、1912年:光沢剤としてカドミウ
 ムの使用があり、1915年以降は急速にニッケルめっき
 が発達しました。
 特に1916年にはOP.Wattsの提案したワット浴が現れ
 さらに数々の改良がなされて今日に及んでいます。

投稿者: めっき職人 : 16:22 |

【電鋳(でんちゅう)】

 母型(マンドレル、マスターなどと呼ばれてる)の表面に厚めっき
 を行い、これを母型から剥離して母型とは全く逆の凹凸面の製品
 を得るかあるいは得られたその製品の表面に剥離処理を施し、
 同様の厚めっきによって初めの母型表面と全く同じ凹凸の製品を
 製作する方法です。
 
 通常の機械加工では製造が困難な場合や高い精度で対象を細部
 まで複製することが必要な場合に広く利用させるようになり、CD・
 DVD・機械部品・電子部品・航空宇宙機器部品への利用やマイク
 ロマシンなど時代の先端をいく加工技術としても注目されてます。

 利点として、
 ① 転写性が良い。
 ② 継ぎ目なしの中空部品など他の加工法で製作することが難
    しい一体構造物の製造が可能。
 ③ めっき速度の差がない(表面積に影響されない)
 
 欠点として
 ① めっきや金属箔などの薄膜を除き、一般に長時間(数週間 
    以上の場合もある)を要する。
 ② 母型の凹凸部の均一の厚さにするため補助アノードの使用
    や強電流分布部分に遮蔽板を取り付けるなどの工夫が必要
    である。さらに低電流密度で長時間電鋳する、あるいは途中
    で電鋳品を浴から引上げ、突起物を研削除去して再び電鋳
    を続けるなどの作業が必要である。
 ③ 母型の製作、導電性皮膜処理、剥離処理などの工程に経験
    と熟練を必要とする。

《参考文献》
 表面処理対策Q&A:(株)産業技術サービスセンター

 

投稿者: めっき職人 : 10:43 |
2005
01/07

【化学蒸着 chemical vapor deposition】・・・略して「CVD」
 常圧あるいは減圧下で、ハロゲン化金属などのガスを加熱
 した素材面で分解または置換、あるいは水素を送って還元
 させてめっき皮膜をえるもので、多くの純金属や化合物の
 めっきができます。
 普通の熱CVDのほかに光CDV,プラズマCDVがあり、多様
 な機能性膜のめっきが出来ます。

 JISでは、
  「気相化学反応によって、基板上に膜を形成させること。
   化学気相成長ともいう。」


 

投稿者: めっき職人 : 10:37 |

【イオンプレーティング ion plating】
 真空容器中に蒸発した金属粒子の一部をイオン化して薄膜を
 形成する方法です。通常のイオン化方法は高周波によるもの
 で、真空蒸着とプラズマ(気体放電現象)を組合わせてイオン
 作りを行います。
 用途は装飾用、耐食用、電気接点目的があり、金・銀・クロム
 ・チタン等が使用されてます。

 JISでは、 
  「電界を印加して発生したプラズマを利用して、蒸発原子を
   イオン化又は励起させ、基板に薄膜を形成すること。」

投稿者: めっき職人 : 10:31 |

【スパッタリング sputtering】・・・略して「スパッタ」
 真空容器中にアルゴンガスを導入し、陰極(ターゲット)
 と陽極(加工物)の間に直流高電界をかけるとアルゴンが
 放電してアルゴンイオンと電子になります。このアルゴン
 イオンがターゲットの金属を叩いて金属の原子を飛び出させ
 (スパッタリング現象)、加工物表面に薄膜を形成させます。
 
 JISでは、
  「加速された粒子が固体表面に衝突したとき、運動量の
   交換によって固体を構成する原子が空間へ放出される
   現象及びこの現象を用いた成膜法。」

投稿者: めっき職人 : 10:18 |
2005
01/04

【真空蒸着 vacuum evaporation,evaporation】・・・略して「蒸着」

 真空容器中で金属を蒸発させ、その蒸発分子を加工品の表面で
 凝縮させて0.05~0.1μmの薄膜を作る方法です。
 薄膜の下地には素材を平滑化し密着性を改良するための
 アンダーコート(塗装)と薄膜の保護としてトップコート(塗装)
 がそれぞれ必要となります。
 蒸発金属としては、Al、Cu、Ag、Znなどの単一金属が用いら
 れます。合金は適しておりません。
 実用上一般的に多いのはAlで装飾目的として多用されており
 ます。
 プラスチック、FRPなどの一般的なめっき処理が困難な場合にも
 利用されるケースが多いです。

 JISでは、
  「真空中で物質を加熱蒸発し、基板に凝縮させ、薄膜(およそ
   数μまでの厚さの膜)を形成すること。略して蒸着ということが
   多い。」

投稿者: めっき職人 : 10:11 |
2005
01/03

【真空めっき法】
 真空蒸着・スパッタリング及びイオンプレーティングなどは
 いずれも真空容器の中で行われる薄膜生成技術である
 とことから「真空めっき」また学術的にはPVD(Physical
 Vapar Deposition)法と総称されています。
 
 Al、Ti、Wなどの単体金属のほか、各種合金や化合物の
 めっきが可能であり、皮膜は超薄膜で装飾と機能性に
 すぐれているが、一般には保護膜としてトップコートが必要です。

投稿者: めっき職人 : 10:09 |
2005
01/02

【溶融めっき hot dipping 】

高温で溶融した金属の中に被めっき物を浸漬して引き上げ表面の溶融金属を密着させる方法です。
めっき浴温度より高い融点の金属素材にめっきが出来ます。

めっきは亜鉛(ガルバナイジング)、アルミニウム(アルミナイジング)、錫、鉛、はんだなどがあります。
浴温度は金属の種類によって異なり、おおよそ以下のようになっています。
 

・亜鉛 約430~450℃
・錫  約310~330℃
・鉛  約365~380℃
・アルミニウム 約700℃以上


メリット・・・電気めっきよりも厚い被膜が得られ、大物や穴の内面に耐食性の高い厚いめっきが出来ます。
デメリット・・・高温作業で排ガスの処理問題と製品の変形が起こりやすく膜厚の制御が難しいです。


使用されている物の例を挙げますと、溶融亜鉛めっきでは鉄塔や鉄骨などの建材、ドラム缶、ボルト、ナットなどがあります。
特に鉄鋼薄板に亜鉛めっきしたものは「トタン」と呼ばれ、錫めっきしたものを「ブリキ」と呼ばれます。

投稿者: めっき職人 : 10:02 |

今日から「めっき」に関して少しずつ情報を掲載していこうと思います。

【めっきとは?】

 1.製品に美観を与え(金めっきやピカピカのめっき)
 2.製品の錆を防ぎ
 3.摩耗や硬度を高くし
 4.製品に必要とされる付加価値(機能)を

付与する技術です。

【めっきの方法】

 湿式(めっき液の中に浸漬させる)タイプと乾式(物理的作用で)があります。
 湿式タイプも電気を使用する方法(電気めっき法)と電気を使用しない(化学めっき法)とがございます。

【電気めっき法】
 
 金属塩の水溶液から、外部電流による電気化学的に加工物表面(陰極)への金属を還元析出させるもので
 Zn、Cd、Sn、Ni、Co、Fe、Cu、Crなどの重金属やAg、Au、Rhなどの貴金属に至るまで広範囲の金属
 のめっきが可能です。
 電気めっきによる皮膜は、比較的薄い膜厚でも緻密な析出層となるので多彩な金属質感得られ耐食性も
 優れます。

 デメリットとし、皮膜厚さの均一性にかける。形状によっては、めっきがつき難い箇所が発生する。
 などがございます。

【化学めっき法】
 
 電気を使用することなくめっき液中の金属イオンを化学的に還元析出する方法です。
 一般的には無電解めっきと呼びます。自触媒型と非自触媒型があります。実用化されております化学めっきの
 金属は、Ni、Cu、Sn、Auなどがあります。このめっき法の特長は皮膜が均一に析出することです。
 一部の材質を除き金属から非金属に処理をすることが出来ます。

投稿者: めっき職人 : 15:44 |
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